ダラットの風に吹かれて〜、日本語教師。

ベトナム在住16年の日本語教師、サイゴンからダラットに引っ越して、コロナ流行には翻弄されながらニャチャンとダナンを行ったり来たり。今はダラットに舞い戻り日本語教師引退後の生き方を模索中。

「コンビニの光と影」、この影の部分が大きく人生を変えた。

 私は深夜や朝方に悪夢で目が覚めることがある。その夢は正に悪夢なのだ。昔、嫌な事があって忘れたいと思ってる事がフラッシュバックのように夢の中で再現されて目が覚める。今朝もそうだ…。


 下記の「コンビニの光と影」の本を出版したのは1999年8月だ。この時に私はコンビニのオーナー(名古屋市内のサークルK)だった。この本は、当時急速に店舗数が伸びていたフランチャイズシステムのコンビニ店を経営していた加盟店オーナー達がフランチャイズシステムのコンビニシステム、その運営がコンビニ本部だけが一方的に有利な実態を告発して立ち上がった運動の中で出版された。
 当時、静岡大学の経済学者だった本間重紀教授の編集で各専門の弁護士や経済学者達とと、元や現役のコンビニオーナー達が悲痛な体験と訴えを書いた内容だった。
私も、サークルKオーナーとして実名でコンビニ加盟店の現状と問題を書いた。今改めて
「コンビニの光と影」でネット検索すると下記のようにいくつも出てくる。


約19年前の出来事で、このタイトルの本は新装版が10年前に出たみたいだが今はもう絶版のようだ。





当時で、コンビニ店数は4万店と言われてたが、今では5万5千店ぐらいでセブン、ファミリー、ローソンの大手三社で90%のシェアらしい。独占状態だ。


結局、私は当時のサークルK加盟店を契約期間15年を継続した。問題だらけのコンビニ加盟店で契約当初、開店直ぐに「こんな事(仕事)、真っ当な人間のやることではない。」と直感したが、それはその後の15年という長いコンビニ店運営で実証されてしまった。


15年間という長いコンビニ運営でいろんなことがあった。自分を取り巻く状況では、家族親戚関係崩壊、家庭崩壊、離婚、社会的関係の衰退、健康破壊などなど…。正に悲惨な状況を表現する言葉ばかりだ。


「健康破壊」で言えば、15年の契約が終わって3年後に私は大腸癌が発見されて手術した。幸いにも初期段階であったので今に生き延びている。


つい、コンビニの事を書くと色々と思いだして長くなる。今後も少しづつ書こうと思うが、どうしても今書いておきたいことはこれだ。


コンビニ店を開店して間がない頃に、私の弟の妻が二人の子供を連れて暑い日中に開店祝いに駆けつけてくれた。その時には、私は夜中にオーナーといっても店長兼スタッフでなんでもやらなければならない。開店して当初は、夜中のバイトが集まらないのでオーナー自らがやるしかないのである。夜中のバイトが集まるまで3ヶ月ぐらいは夕方から朝方7時ぐらいまで毎日やるしかないのである。店は24時間営業が原則。


この時に、こんな事業、仕事はやるもんじゃない、人間の生理に反する行為だ。人は太陽と共に昼に働き夜は寝るもんだ…、と痛感した。このコンビニ開店は失敗だ!
と精神と身体の健康破壊の恐怖感で本能的に感じていた。


だからこの時期は、特に夜勤明けの朝方は疲労困憊でマトモな精神状態ではなかっただろう。
その時に、弟の妻は開店祝いに来てくれた。店の外は暑かったが、二人の小さい子供を引き連れて、子供達は喉が渇いて飲み物を欲しがってくる途中にローソンがあったが「もうすぐに店に着くから…。」と言って来たらしい。


そして、店に着くなり冷たい飲み物を子供達は手にしていた。弟の妻は開店祝いを手渡してくれたが、私はその直後にとんでもない行為をしていた。子供達の手の中の飲み物を取り上げたままに店の中の事務所に案内するのではなくて、店の外に案内をしていた。
それは何故か、未だに分からないのだが、その後ずっと私の脳裏から忘れられない出来事として、時々にフラッシュバックするのである。正に悪夢だ。


いくら、睡眠不足で朦朧としていたとしても、後で振り返るに、その弟の母子に私は取り返しのつかない事をしたのである。幼い子供達がどう思ったか…、想像しただけでもゾッとする。でも、その時の私はその事が異常な行動だと分からないのである。
後で、気づくことの恐ろしさはない。


この時の出来事は、それから20年近く経っても悪夢の一つだ…。
当然に、弟家族との関係はその後、悪化していく。私は、約10年前にベトナムへ来る時に、その時の出来事に対して弟の妻にお詫びの内容の手紙を書いた。遅きに失するとはこのことだが、その開店事以来20数年間直接には会えないでいる。


コンビニ経営を契約して開店した結果の、正に「コンビニの影の部分」の一つである。悲しいかな…。開店当初からすれば、もう30年近くになろうとするのに、未だに悪夢として消えない…。